健康や命は買うことができないというが・・・
本当に買うことができないのでしょうか?
そんな疑問を解決する研究を見つけたのでご紹介します。
米国における収入と平均余命の関係
方法
米国人口の所得データは、1999年から2014年の間に14億にのぼる税務記録より算出した。
死亡率のデータは、社会保障管理の死亡記録から算出した。
これらのデータと収入・性別・地域・人種や民族などとの関連を統計解析を行なった。
調べた内容
収入と平均余命との関係。
所得と平均寿命の傾向
居住地の影響
結果
平均余命は所得とともに継続的に増加する。
40歳の時、アメリカの所得分布の上1%と下1%における平均寿命の差は、男性で15歳、女性で10歳であった。
平均余命の差は2001年から2014年にかけて増加した。
所得分配率の下5%の人口の平均余命は変化しなかったが、所得分布の上位5%の男性と女性の平均所得は約3年増加した。
平均余命の差異は、喫煙、肥満、運動などの健康行動、医療アクセス、所得格差、労働市場などが関連していました。
その他、低所得者の平均余命には、移民数、大卒者割合、政府の支援などが関連していました。
結局、寿命や余命を延ばす為に必要な事
①低所得者にならない様に努力する事
②健康的な生活を意識する事
③医療アクセスが充実している地域に住む事
④財政支援の充実した地域に住む事
⑤大学に進学する事
参考文献:The Association Between Income and Life Expectancy in the United States, 2001-2014.Chetty R, et al. JAMA. 2016.
まとめ
- 上位所得者は健康にある程度のお金をかける事ができ、健康的な生活を意識する事が出来る。
例えば、健康のために色々と楽しい仕掛けがしてあるフィットネスクラブに通ったり、自分に不足しがちなサプリを摂取するためにはある程度健康に対する意識を持っていく精神的な余裕と、それに費やす経済的な余裕が必要となる。 - アメリカでは、加入している保険により受けることが出来る医療が変わってくる。
その為、高所得者は充実した医療を受ける事可能となる。逆に低所得者は最低限の医療しか受ける事が出来ない。
日本は皆保険制度であるのでアメリカほど所得が受ける医療に与える事は少ないと考えられる。 - 大学に進学して学ぶ事の大切さを知っている方は、一定の所得を得る可能性が高く、健康についても学ぶ可能性が高いと考えられる。
- 寿命や余命がお金で買えると言うよりは、寿命や余命を延ばすにはお金がかかると言ったほうが正しいのかもしれない。
- 高所得者でなくても心配は要らない。
インターネットが発達した現在、健康に対する意識を持っていれば所得に関わらず健康に対する情報を得る事が容易に出来る。
また、ジョギングなどお金をかけなくても出来るし、効率的な筋トレもネットで調べる事が出来る。 - 日本は皆保険制度である。
日本に住んでいる限り、高所得者と低所得者での違いはほとんど無いと言って良い。
※要はあなたの健康に対する意識の問題なのである。